第三種冷凍機械責任者 2024年(R6)保安管理技術-問5

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問題

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか。

イ.圧縮機と電動機が直結されて、1つのケーシングの中に収められて、一体構造をしたものを密閉圧縮機という。とくに、ケーシングを溶接密閉した全密閉圧縮機は、アンモニア冷凍装置に多く使用される。
ロ.多気筒往復圧縮機の容量制御装置は、スライド弁を用いることで、ある程度連続的な容量制御を行うことが可能であるが、低負荷条件で長く運転する場合は、吐出しガス温度が上昇することがある。
ハ.往復圧縮機では、クランク軸端に付けたギアポンプで、クランクケースの油溜めから冷凍機油を汲み上げ加圧して、圧縮機各部の摺動部に給油を行うものがあり、この給油方式を強制給油式と呼ぶ。
ニ.フルオロカーボン冷凍装置の運転で、液戻りが著しく多くなると、冷凍機油に冷媒液が多量に溶け込み、冷凍機油の粘度を低下させる。また、フルオロカーボン冷媒用の往復圧縮機を、油温が低い状態から起動すると、オイルフォーミングが発生することがある。いずれの場合も、圧縮機が潤滑不良となる場合がある。
1.イ、ロ
2.イ、ハ
3.イ、ニ
4.ロ、ハ
5.ハ、ニ

回答

正解は(5)

イ.圧縮機と電動機が直結されて、1つのケーシングの中に収められて、一体構造をしたものを密閉圧縮機という。とくに、ケーシングを溶接密閉した全密閉圧縮機は、アンモニア冷凍装置に多く使用される。
→不適当
「圧縮機と電動機が直結されて、1つのケーシングの中に収められた一体構造」は密閉圧縮機の定義として正しいです。
しかし、密閉圧縮機は一般的にフルオロカーボン冷媒の冷凍装置に使用されます。アンモニア冷媒は、腐食性が高く電動機の巻線(銅線)を侵食することから、圧縮機と電動機が分離している開放圧縮機で使われます。

ロ.多気筒往復圧縮機の容量制御装置は、スライド弁を用いることで、ある程度連続的な容量制御を行うことが可能であるが、低負荷条件で長く運転する場合は、吐出しガス温度が上昇することがある。
→不適当

多気筒往復圧縮機の容量制御には、主に吸込み弁の開放停止(アンローダ)やバイパス制御などが用いられます。

  • **スライド弁(スライディングバルブ)**を用いて連続的な容量制御を行うのは、スクリュー圧縮機です。

したがって、容量制御装置の機構に関する記述が誤っているため、不適当です。

ハ.往復圧縮機では、クランク軸端に付けたギアポンプで、クランクケースの油溜めから冷凍機油を汲み上げ加圧して、圧縮機各部の摺動部に給油を行うものがあり、この給油方式を強制給油式と呼ぶ。
→正しい

強制給油式は、ギアポンプなどのポンプを用いて、クランクケースの油を吸い上げ、高い圧力で軸受(ベアリング)やピストンピンといった摺動部(強くこすれる部分)に強制的に油を送り込む方式です。これは大型の往復圧縮機や高負荷条件で運転される圧縮機に採用され、正しい記述です。

ニ.フルオロカーボン冷凍装置の運転で、液戻りが著しく多くなると、冷凍機油に冷媒液が多量に溶け込み、冷凍機油の粘度を低下させる。また、フルオロカーボン冷媒用の往復圧縮機を、油温が低い状態から起動すると、オイルフォーミングが発生することがある。いずれの場合も、圧縮機が潤滑不良となる場合がある。
→正しい

  1. 液戻り(ウェット運転)により、冷媒液が大量に圧縮機に戻ると、油溜まりで冷媒が冷凍機油に溶け込み、油が薄まり粘度が低下します。
  2. オイルフォーミングは、油に溶け込んだ冷媒が、起動時の急激な圧力低下により急激に泡立つ現象です。
  3. 粘度低下オイルフォーミングも、油膜形成を妨げ、圧縮機の潤滑不良(焼き付きの原因)につながるため、記述は正しいです。
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