問題
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機の効率、軸動力などについて正しいものはどれか。
| イ. | 体積効率ηvは、ピストン押しのけ量をV、圧縮機の実際の吸込み蒸気量をqvrとすると、ηv=qvr/Vで表される。 | ||
| ロ. | 圧縮機の圧力比が大きくなると、断熱効率は小さくなるが、機械効率は大きくなる。 | ||
| ハ. | 圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が小さいほど大きくなり、圧縮機の冷媒循環量および冷凍能力が減少する。 | ||
| ニ. | 圧縮機の実際の駆動に必要な軸動力は、蒸気の圧縮に必要な圧縮動力と機械的摩擦損失動力の和で表される。 |
| 1. | イ、ロ | ||
| 2. | イ、ニ | ||
| 3. | ロ、ハ | ||
| 4. | ロ、ニ | ||
| 5. | イ、ハ、ニ |
回答
正解は(2)
イ.体積効率ηvは、ピストン押しのけ量をV、圧縮機の実際の吸込み蒸気量をqvrとすると、ηv=qvr/Vで表される。
→正しい
体積効率 (ηv) は、圧縮機の実際の吸込み量 (qvr) と、ピストン押しのけ量 (V) の比率で定義され、この式は ηv = qvr / V で表されます。
ロ.圧縮機の圧力比が大きくなると、断熱効率は小さくなるが、機械効率は大きくなる。
→不適当
圧力比が大きくなると、一般的に断熱効率は小さくなりますが、機械効率も小さくなるため、問題文は誤りとなります。
なお、圧力比は圧縮機がどれだけ圧力を高めたかを示す指標で、吐出の絶対圧力÷吸込の絶対圧力で表すことができます。
- 断熱効率:圧力比が大きくなると、圧縮によるガスの温度上昇が激しくなり、シリンダー壁や冷媒の流れとの間で熱交換が生じる損失が増えるため、断熱効率は小さくなります。
- 機械効率:圧力比が大きくなると、圧縮抵抗が大きくなります。これに伴い、ピストンや弁などの摩擦損失が増加するため、機械効率は小さくなります。
ハ.圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が小さいほど大きくなり、圧縮機の冷媒循環量および冷凍能力が減少する。
→不適当
吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど大きくなります(これは正しいです)。しかし、吸込み蒸気の過熱度が小さいほど、比体積は小さくなるので記述の後半部分が誤っています。
なお、吸込み蒸気の比体積とは、吸込み蒸気1kgあたりの体積のことを指します。
ニ.圧縮機の実際の駆動に必要な軸動力は、蒸気の圧縮に必要な圧縮動力と機械的摩擦損失動力の和で表される。
→正しい
圧縮機の実際の駆動に必要な軸動力(P)は、蒸気の圧縮に必要な動力(Pc)に、機械的な動きによる摩擦損失動力(Pm)を加えたもので表現されます。
つまり、P = Pc + Pm となります。
- P :圧縮機の実際の駆動に必要な軸動力
- Pc:蒸気の圧縮に必要な圧縮動力
- Pm:機械的摩擦損失動力
ヘタ・レイPcは圧縮に必要な理論的な動力のことを指しますが、実際に圧縮機を動かすと摩擦などのエネルギー損失(Pm)があるため、その損失分を考慮して軸動力(P)は決定されるということです。
